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❝日本のペットはワクチン接種が多すぎる!❞ですって。信じられますか??


❝日本のペットはワクチン接種が多すぎる!❞ですって。信じられますか??


ハイ!私も思ったことあります。


WSAVAによるとそんな風にも解釈できます。WSAVAとは獣医師による動物の健康福祉のための世界的な組織団体です。様々な専門分野の獣医師から構成されワクチンの調査研究もしています。即ち、❝日本のペットの犬と猫は本来投与する必要のないワクチンが接種されている❞とのことです。この団体は2012年から2013年に日本の東京と大阪に実際に来て調査までしているのです。WSAVAが調査のために日本に来ていたと私が知ったのは、2018年です。
 

https://www.wsava.org/About

wsava


日本のワクチン接種と欧米の標準的なワクチン接種の違い

 

あなたの飼っているペットが大人のワンちゃんで5種混合、または6種混合ワクチンの場合は、そのワクチンの次回の接種は3年後で良い可能性が高いです。


あなたの飼ってるペットがネコちゃんで室内飼いで、しかも1頭の場合は1年に1回の接種は必要ではないかもしれません。多頭飼いの場合で同居しているネコちゃんが感染する病気をもっていない場合、やはり1年に1回のワクチン接種は必要ではないかもしれません。即ち、3年に1回のワクチン接種で大丈夫の可能性が高いです。


私が今回この記事を載せた理由は、私を含めて、今までの日本でのワクチン接種が、欧米の推奨されている標準的なワクチン接種の方法とは違うからです。即ち、今まで日本の動物にワクチンを接種する場合どのワクチンも1年に1回接種が基本です。しかし、欧米ではワクチンの種類によっては、3年に1回のワクチン接種が標準的なのです。但し、一部のワクチンはその動物の生活環境に合わせて1年に1回接種することもあります。


実は私はこのことは何年も前に知っていました。なので、飼主さんから❝欧米ではワクチン接種の方法が日本と違うのは本当?❞と質問があると、❝はい!そうです。❞と答えていました。ただし、日本は欧米に比べてワクチン接種率が極端に低いため、❝欧米のようなワクチン接種方法はあてはまらない可能性がありますよ!❞と答えていました。

その根拠が以下の2015年のグラフにあります。




日本の動物病院でのワクチン接種は1年に1回が基本?

 

何故日本の獣医師が動物にワクチンを毎年接種するのが恒例となっているかです。私が思うに、始まりはワクチンの説明書にそう書いてあったからだと思います。その後、いつかは分からないですが、私の記憶ではワクチンを1年に1回接種するという記述がなくなったと思います。その時は私は欧米では3年に1回の接種方法があることを知っていましたので、おそらくその影響かなと思っていました。

 

それでも1年に1回ワクチン接種していた理由は日本のワクチン接種率が極端に低いからだと思います。アメリカなど欧米諸国でのワクチン接種されている動物が多い環境と日本のワクチン接種率が低い動物が住んでいる環境とで、同じように考えられないという意見が日本ではあったからです。

 

2014年版アジア向けWSAVAのガイドラインが出たのを知ったのは恥ずかしながら2018年です。もちろん、WSAVAのワクチン接種のガイドラインのことはもっと以前に知っていました。なので、私は2016年か、それ以前に飼い主さんがネコの3種混合ワクチンかイヌの5種混合ワクチン接種で来られた時には、お話したように、”欧米では3年に1回の接種であること。但し、日本ではワクチン接種率が欧米に比べて極端に低いため、欧米での基準が必ずしも当てはまるとは限らないですよ。でも、おそらく大丈夫と思います。”というお話で飼主さんに説明していました。そういうお話で、実際に3年に1回でワクチンを接種することに同意された飼い主さんもいるのです。

 

要するに、その当時はもし3年に1回と断定して言ってしまって、感染した時の責任が怖かったため、かなり慎重になりました。

 

ところが、WSAVAが既に日本の大阪と東京に来て調査までしていることを知り、しかも、アジアの国々の地域性を考慮したアジア向けのガイドラインが出たことで2018年から自信をもって飼主さんにお伝えするようになりました。



大まかなワクチンの種類:コアワクチン/ノンコアワクチン

 

ここで、ワクチンの種類は大きく分けて2種類あります。コアワクチンとノンコアワクチンです。コアワクチンとはいかなる環境のイヌ・ネコも受けるべきワクチンです。ノンコアワクチンとはその動物の生活環境に合わせて接種したり、あるいは、接種しないと判断するものです。具体的にコアワクチン/ノンコアワクチンにはどういうワクチンがあるのかは後で説明します。

 

即ち、コアワクチンは3年に1回の接種で、ノンコアワクチンは1年に1回の接種と状況によって判断します。欧米では何年も前からワクチン接種方法が日本と違うことを飼い主さんには話していました。



アメリカで認可されている3年に1回接種用のワクチン

 

もっと言うと、3年に1回のワクチン接種が効能として認められているワクチンがアメリカでは販売されています。

 

なので、日本の小動物獣医師の中には、3年に1回のワクチン接種で効果が認可されているワクチンが日本で販売されてからWSAVAの世界標準的なワクチン接種を勧めるべきだとの意見を聞いたことがあります。このことも気になっていたので、2018年に実際にアメリカでワクチンを接種している内科専門医のドクターに相談してみました。

 VIN

すると、“確かにアメリカではコアワクチンで3年に1回のワクチン接種が認められている製品がある。しかし、実は多くの獣医師はそれは気にせずに他のワクチンでもWSAVAの推奨するワクチンの接種方法をしている。”即ち、3年に1回で良いもの(コアワクチン)はそのようにワクチンを接種しているとのことでした。アメリカではその様な認可を受けてないワクチンでも、ちゃんとそれぞれの製造会社が調査して最低でも3年間は抗体が維持されることを確認しているとのことでした。むしろ3年に1回の認可がされているワクチンを使用しているドクターの方が少ない傾向のようです。

 

日本のコアワクチンでも3年間の免疫が維持!

 

当動物病院で扱っているイヌのワクチンは今のところノビバックDHPPi(5種混合ワクチン)とキャニバック9(9種混合ワクチン)です。

 

ワクチンには使用説明書があるのですが、2018年にWSAVAのアジア版ガイドラインがあることを知ってから、もう一度使用説明書を確認しました。おそらくWSAVAが日本に調査に来た時に日本のワクチンメーカーに改善を働きかけたのではないかなって思ったからです。本当にそうしたかどうかはわからないですが、なんと、当動物病院で使用しているイヌのワクチンの使用説明書の文章が以前のものと変わっていたのです。

 

即ち、ノビバックDHPPiとキャニバック9のワクチンで、この中のコアワクチンに相当するワクチンの抗体が3年間持続されたと記載されているのです。この事実を知った時は正直びっくりしました。この事実を知らないまま、依然として1年に1回のワクチンを接種している日本の先生もいるのかもしれません。そして、2018年にVINのコミュニティで直接アメリカのドクターに質問すると、このノビバックDHPPiはアメリカでは3年に1回の接種で使われているとのことです。



ワクチン接種の代わりに抗体を測定する重要性は?

 

私は2017年初めにコアワクチンの抗体の測定検査が日本に入って来た時、九州でも一番早く導入しました。私の記憶では初めはおそらく当動物病院ともう一つの動物病院しか九州で導入していませんでした。その時は、やっと日本でも3年に1回のコアワクチンの時代が来たのかと思いました。これで、白黒はっきりするみたいに。ところが、実際はそれ以前にWSAVAが調査に日本に来て、日本を含むアジア向けのガイドラインが2014年にできていました。それにより、欧米の基準が日本にも当てはまることが分かっていれば、わざわざ抗体価の検査キットを導入しなかったかもしれません。

 

実はこの検査キットはワクチンと同じくらい費用が掛かります。なので、実際は、検査キットで抗体価が低い場合はワクチンを接種することになります。すると、検査の分費用が2倍になるという理屈を飼主さんにお話すると、”じゃあ、検査はせずにワクチンをして”という飼い主さんが多く、ワクチンの抗体を測定するキットは期限までに使われないものが出てきて無駄になったのでした。

 

それでも、希望する飼い主さんもいらっしゃって、コアワクチンの抗体価が充分だったため、イヌでコアワクチンは接種せず、ノンコアワクチンのレプトスピラのみ(今はないですが、2017年はレプトスピラだけが5種入っているワクチンがありました。)その年は接種したのでした。あるいは、ノビバック5種(平たく言えばコアワクチン)を接種していた子はワクチンを接種せずに大丈夫ということになりました。即ち、健康チェックだけでワクチンを接種せずに帰っていく子もいました。



アメリカでの抗体検査の評価

 

まず、WSAVAのアジア版ガイドラインでは、❝コアワクチンが3年に1回で不安に思う場合は抗体検査をしても良い。毎年検査をしても良いが、10才未満のイヌは通常3年に1回の検査❞とあります。義務付けているニュアンスではないです。

 

それで、疑問に思ってVINのコミュニティで、アメリカの内科の専門医で実際にワクチン接種をしているドクターに相談してみました。私の質問は❝3年に1回コアワクチンを接種するときに、抗体検査をしているか❞でした。答は❝していない❞でした。このドクター以外でも他の専門医の意見も調べてみると、やはり抗体検査には否定的でした。



抗体検査は必要でない?

 

理由はちょっと専門的な話で難しいのですが、分かりやすく言うと、動物がウイルスなどの感染を自分で防ぐシステムを免疫といいます。これには2種類あって、液性免疫と細胞性免疫です。液性免疫が抗体で体を守るということで、抗体検査に関わっています。もちろん、抗体検査で抗体が十分あれば、体をウイルスなどから守れるという判断はできます。一方、細胞免疫に関しては検査するキットはありません。仮に、抗体が低かった場合でも、正常な免疫機能を持っている動物では、過去にちゃんとワクチン接種を受けていれば大丈夫というのです。細胞性免疫により、ウイルスなどと接触してから抗体が上がり体を守るからです。

 

さらに、じゃあ、ワクチンを接種して、検査をして、免疫機能が異常のため抗体価が低いことが分かったとします。例えばジステンパーの場合、WSAVAのアジア版ガイドラインによると、その確率は5000頭に1頭と言われています。この場合、相談したドクターによると、そういう動物に、週に1回ずーっとワクチンを接種しても抗体価は上がらないとのことです。したがって、抗体価が先天的に上がらない動物がわかったとして、それにより改善策がないわけですから、抗体を測る意味があるのかっていうのです。

 

今までワクチンを接種していたイヌがほんとに抗体価が低ければ何度ワクチンを接種しても無駄だということを考えると、そもそも、ワクチンの抗体価を測定する意味はなかったのかもしれないと今は思えます。ですので、当動物病院では抗体検査はしないことにしました。



宮崎はレプトスピラの感染地域!

 

イヌから人へ感染するのがレプトスピラです。人獣共通感染症です。

レプトスピラ感染地域


以下の表は小動物獣医学情報誌SAC No.172から許可を得て転載したものです。これにより、日本国内でレプトスピラのどのタイプが実際に感染しているのかが分かります。



レプトスピラを含むワクチンは色んなメーカーから販売されています。しかし、この表の中のレプトスピラで一番多い種類でもキャニバック9です。キャニバック9には、カニコーラ、ヘブドマディス、イクテロヘモラジーの3種類が入っています。他社ではカニコーラとイクテロヘモラジーのみです。ですので、宮崎ではキャニバック9が一番適当だということが分かります。






これからのお話はちょっと難しいかもしれません。要するに当動物病院ではWSAVAの推奨されるワクチンの接種方法をペットの飼われている環境を考慮してお伝えし、そのことと飼い主さんの希望を取り入れてワクチンを動物に接種しています。



そもそも動物病院で言う混合ワクチンとは何かご存知でしょうか?

 

人工的に病原性をなくしたウイルス(生ワクチン)あるいは、生きていないウイルスの残骸(不活化ワクチン:英語ではKilled vaccines)です。


これらのワクチンを接種することで、イヌやネコは病原体のことを体が前もって覚えるため、自分の免疫により感染を防ぐことができます。あるいは完全に防ぐことができないとしても、感染した場合に症状が軽くなるようにするものです。その病気とは感染してしまうと命に関わるものが多いです。

 

ワクチンの種類は大きく分けて2種類あります。既に説明したように、コアワクチンとノンコアワクチンです。コアワクチンとはいかなる環境のイヌ・ネコも受けるべきワクチンでした。ノンコアワクチンとはその動物の生活環境に合わせて接種したり、あるいは、接種しないと判断するものでした。

 

コアワクチン

イヌ:ジステンパーウイルス、犬アデノウィルス(2型)、犬パルボウイルス

ネコ:猫ウイルス性鼻気管炎、猫カリシウイルス、猫汎白血球減少症ウイルス

 

ノンコアワクチン

イヌ:犬パラインフルエンザウイルス、レプトスピラ

ネコ:白血病ウイルス、猫クラミジア

 

当院で使っているものはイヌの場合、5種混合ワクチンは以前からノビバックDHPPi(ジステンパーウイルス、犬アデノウィルス(2型)、犬パルボウイルス、犬パラインフルエンザウイルスを含む)、9種混合ワクチンは2017発売当初からキャニバック9(ジステンパーウイルス、犬アデノウィルス(2型)、犬パルボウイルス、犬パラインフルエンザウイルス、レプトスピラ・イクテロヘモラジー,レプトスピラ・カニコーラ,レプトスピラ・ヘブドマディスを含む)です。そして、今年からケンネルコフのワクチンであるキャニバックKC3です。このワクチンは犬パラインフルエンザワクチンを含みます。

 

ネコの場合、5種混合ワクチンはピュアバックスRCPCh-FeLV(猫ウイルス性鼻気管炎、猫カリシウイルス感染症、猫汎白血球減少症、猫白血病ウイルス感染症、猫クラミジア感染症)、3種混合はピュアバックスRCP(猫ウイルス性鼻気管炎、猫カリシウイルス感染症、猫汎白血球減少症)です。

 

ちょっと話が逸れますが、猫のワクチンで注意が必要なのは、アジュバントというものがワクチンに入っているタイプかどうかです。知らない飼い主さんはワクチンの証明書にワクチンの種類が書いていますが、ネットなどで調べてみましょう。

 

ネコにアジュバントが入っているワクチンを接種すると、少ない確率ですが、悪性の腫瘍ができることがあります。(当動物病院で現在接種しているピュアバックスにはアジュバントは入っていません。)

 

なので、以前別のワクチンでアジュバントが入っているタイプを接種していた時は当動物病院ではそのリスクを説明し、しかも、尻尾にワクチンを接種していました。万が一悪性の腫瘍ができたとき、腫瘍の切除に問題がないからです。このワクチンの接種方法は欧米の獣医師が実施しています。当動物病院でもアジュバントの入っているワクチンをネコに接種する場合、同じように実施していました。

 

以前私がアメリカで研修中に、実際に猫の肩にワクチンを接種したことによると考えられる悪性腫瘍ができたネコのCT画像を見せてもらいました。肩の肩甲骨の中まで悪性の腫瘍が入り込んでいて取り切れる状態ではなかったと記憶しています。肩はネコにとって注射をしても痛くない場所だから選ばれることがありますが、アジュバントが入っているワクチンを接種する場所としては適切ではないのです。

 

 

WSAVAによる推奨されるワクチン接種方法とは?

 

当動物病院で使用しているワクチンに関して、WSAVAのアジア版ガイドラインを考慮したワクチン接種方法を具体的に説明します。



子犬の場合

 

適切な時期に母乳を飲んだ子犬では、母犬由来の病気を守るための移行抗体がありこれがワクチンの効果を妨げます。このため、1度のワクチンでは不十分です。

 

8から9週齢で、初めに5種混合ワクチン(ノビバックDHPPi)を接種した後は、3から4週間の間隔で16週齢まで、またはそれ以上の週齢が最後のワクチンになるように接種します。

 

もし、レプトスピラに感染の可能性があると考える場合は最後の2回をキャニバック9とします。レプトスピラとはネズミの尿から感染する人獣共通感染症です。

 

ただし、経済的理由から、即ち、ワクチンを1回のみしか接種したくないという場合はコアワクチンを含む5種混合ワクチン(ノビバックDHPPi)を生後16週齢かそれ以降に1回接種します。



成犬の場合

 

5種混合ワクチン

 

子犬のワクチン接種が終了後は12か月齢の時か、または、子犬の時の最後のワクチンから12カ月経過した時に1度接種します。その後は5種混合ワクチン(ノビバックDHPPi)の場合は3年に1回のワクチン接種。ただし、5種混合ワクチン(ノビバックDHPPi)を接種しない年は犬パラインフルエンザウイルスのワクチン即ちキャニバックKC3(ノンコアワクチン)のみ接種します。5種混合ワクチンの中のノンコアワクチンである犬パラインフルエンザウイルスのワクチンは1年しか効果が持続しないからです。日本にはいわゆるケンネルコフを起こすウイルスがいるため、パラインフルエンザワクチンは毎年必要と考えます。

 

但し、パラインフルエンザワクチンの接種を希望しない場合は5種混合ワクチン(ノビバックDHPPi)を3年に1回接種することになります。ここで、大切なことがあります。それは、ワクチン接種をしない年には動物病院にペットを連れてくることをWSAVAも推奨しています。診察料1000円はかかりますが、イヌの健康チェックも大切だからです。ところで、当動物病院での一番人気は9種混合ワクチンです。しかし、中にはほとんど外に出さないので5種混合のみ接種して欲しいという方もいます。その場合ワクチンのためにペットを連れてきたのに、当動物病院で診察・健康チェックだけしてワクチンをイヌに接種せずお帰りになることもあるのです。即ち、ワクチンを接種しない年でも、ペットを動物病院に連れてきて、診察による健康チェックをすることをWSAVAは推奨しています。



9種混合ワクチン

 

9種混合ワクチンのキャニバック9は子犬のときの最後のワクチンから1年後に接種します。その後も1年に1回ワクチンを接種します。

 

キャニバック9の中にはコアワクチンとノンコアワクチンであるレプトスピラが入っています。本来はノンコアワクチン即ち、レプトスピラのみ毎年接種して、コアワクチンは3年に1回が良いのですが、キャニバック9は別々に接種することができない製品です。なので、本来3年に1回でよいコアワクチンも、毎年接種する必要があるノンコアワクチンのレプトスピラと一緒に接種することになります。宮崎はレプトスピラの感染の可能性がある地域のため、やむを得ないのです。他社でレプトスピラのみのワクチン販売されていますが、宮崎での感染報告の割合が多いレプトスピラ・ヘブドマディスが入っていないため、私は使ったことがありません。

 

今後キャニバック9のワクチン製造メーカーがレプトスピラのみのワクチンを製造することを期待しています。そうすれば、3年に1回は9種混合ワクチンを接種して、9種混合ワクチンを接種しない年はレプトスピラとパラインフルエンザワクチンのみ接種することができるからです。



成犬で子犬の時にワクチンをちゃんと接種していない場合

 

生活環境からレプトスピラの感染の可能性があり、9種混合ワクチンのキャニバック9のワクチン接種を希望する場合、ます1回ワクチンを接種します。その後3から4週間で2回目を接種したらその後は1年に1回の接種となります。

 

生活環境からレプトスピラに感染しないと判断した場合、5種混合ワクチンのノビバックDHPPiを1回のみ接種します。その後は3年に1回。ただし、5種混合ワクチンを接種しない年はパラインフルエンザウイルス感染予防のため、1年しか効果が持続しないノンコアワクチンのキャニバックKC3を毎年接種します。

あるいは、ノンコアワクチンのキャニバックKC3の接種を希望しない飼主さんもいるかもしれません。その場合は5種混合ワクチンのノビバックDHPPiを接種しない年に、動物病院で5種混合ワクチンが適切かどうか飼っている環境をお聞きしたり、健康チェックの診察のみ受けます。



子猫の場合

 

適切な時期に母乳を飲んだ子猫では、母猫由来の病気を守るための移行抗体がありこれがワクチンの効果を妨げます。このため、1度のワクチンでは不十分です。

 

8から9週齢で初めに3種混合ワクチン(ピュアバックスRCP)を接種したのちは、3から4週間の間隔で16週齢まで、またはそれ以上の週齢が最後のワクチンになるように接種します。

 

但し、猫白血病ウイルスや猫クラミジアに感染の可能性があると考える場合は最後の2回を5種混合ワクチン(ピュアバックスRCPCh-FeLV)とします。猫クラミジアは人にも感染する人獣共通感染症です。

 

成猫(大人の猫)の場合

 

子猫のワクチン接種が終了後は12か月齢の時かまたは、子猫の時の最後のワクチンから12カ月経過した時に1度接種します。その後、3種混合ワクチン(ピュアバックスRCP)も5種混合ワクチン(ピュアバックスRCPCh-FeLV)も3年に1回のワクチン接種となります。


ここで、大切なことがあります。それは、ワクチン接種をしない年にもネコを動物病院にを連れて行くことです。このことをWSAVAも推奨しています。診察料1000円はかかりますが、ネコの健康チェックも大切だからです。従って、当動物病院では、ワクチンを接種する年ではないときでも、ワクチンを接種していたその月には、ワクチンの葉書で動物病院に来るように飼主さんに来院をお勧めしています。そして、診察をして健康チェックをし、さらに飼っている環境に変化がないかを飼主さんにお聞きします。

 

ただし、外によく出ているネコで呼吸器系のウイルス感染のリスクが高いと判断される場合は3種混合ワクチン(ピュアバックスRCP)の毎年接種をお勧めします。そして、3年に1回は3種混合ワクチン(ピュアバックスRCP)ではなく5種混合ワクチン(ピュアバックスRCPCh-FeL)を接種します。

 

さらに、外によく出るネコで、猫クラミジアに感染するリスクが高いと判断される場合は、5種混合ワクチン(ピュアバックスRCPCh-FeL)を毎年接種することをお勧めします。



成猫で子猫の時にワクチンをちゃんと接種していない場合

 

5種混合ワクチン(ピュアバックスRCPCh-FeL)の場合、即ち、猫白血病ウイルスや猫クラミジアの感染の可能性がある場合は1回接種後3から4週間で2回目を接種したらその後は3年に1回接種します。

 

3種混合ワクチン(ピュアバックスRCP)の場合も1回接種後、3から4週間で2回目を接種したらその後は3年に1回接種します。


そして、WSAVAも推奨しているように、ワクチンを接種する年ではないときも、動物病院への来院をお勧めしています。健康チェックをして、
飼主さんと一緒に、飼っている環境がそのワクチンに適切かどうかを判断します。

 

ただし、外によく出ているネコや、室内でも同居ネコが既にウイルスに感染している場合で、呼吸器系のウイルス感染のリスクが高い場合は3種混合ワクチン(ピュアバックスRCP)を毎年接種することが勧められます。そして、猫白血病ウイルスに感染するリスクがある場合は3年に1回は3種混合ワクチン(ピュアバックスRCP)ではなく5種混合ワクチン(ピュアバックスRCPCh-FeL)を接種します。

 

さらに、猫クラミジアにも感染するリスクが高いと判断される場合は、5種混合ワクチン(ピュアバックスRCPCh-FeL)を毎年接種することが理想です。

 

非推奨ワクチン

 

WSAVAが推奨していないワクチンがあります。それはイヌのコロナウイルスワクチンとネコのFIV(エイズ)ワクチンです。

 

理由は、イヌのコロナウイルスワクチンの場合、有効であるという科学的根拠がないためです。また腸内のコロナウイルスが本当に症状を起こしているという充分なエビデンス、証拠がないためです。


ネコのFIV(エイズ)ワクチンでは、ワクチンを接種しても十分にFIV感染を予防することができない可能性があるためです。ですので、このことを以前から知っていたため、当動物病院ではネコのFIVワクチンを接種したことはありません。


イヌのワクチンで、キャニバック9にはコロナウイルスワクチンが既に入っているものしか販売されていません。ですので、宮崎ではレプトスピラのことを考慮するとキャニバック9となるため、しかたなくコロナウイルスワクチンも一緒に接種している状況です。

 

 







参考文献

 

Day M. J., U. Karkare, R. D. Schultz, R. Squires, and H. Tsujimoto. “Recommendations on vaccination for Asian small animal practitioners: a report of the WSAVA Vaccination Guidelines Group.” Journal of Small Animal Practice 56 (2014): Issue 2

 

Nakamura S. “Questions about correct vaccination program”. Online Posting. 28 October 2018. Vet-to-Vet:Infectious Dz – Immunology. Veterinary Information Network. 13 March 2019. <https://www.vin.com/members/boards/discussionviewer.aspx?threadid=1899797&messageid=0&folderid=125&boardid=4&findsince
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小泉信夫、武藤麻紀、大西真 “コンパニオンアニマルにおけるレプトスピラ症” 小動物獣医学情報誌 SAC 2013. No.172, 共立製薬

 

村田佳輝“犬レプトスピラ症予防の重要性” 小動物獣医学情報誌 SAC 2018. No.191, 共立製薬



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