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ホーム > アメリカで学んで参りました。

DSCN1937
コロラド州立大学獣医学部付属教育動物病院で学んで参りました。そのため、1月の終わりから約1か月間休診しておりましたが、3月6日から診療しております。


今回はZoological Medicineです。私の知る限り、日本の大学で臨床(病気のペットの動物を実際に診断して治療すること)としてはほとんど学ばない、イヌ・ネコ以外の動物、即ちエキゾチックと呼ばれる動物園にいるような動物(ウサギ・フェレット・鳥・モルモット・ハムスター・シュガーグライダー・カメ等)の診療でした。といっても、通常犬・猫の診療を行っている外科、内科、皮膚科、眼科等のドクターと連携を取りながら診療していました。

ネコ科のトラやあとイヌ科のオオカミといった話もちょっと出て論文で勉強しましたが、実際の診療は私がいる間にありませんでした。

動物の写真はコロラド州の法律でSNS等にアップできないときっぱり言われているので無理ですが、付属動物病院などで撮った写真をアップしてみました。

2週間ごとにドクター・ジョンストンと准教授のドクター・キャンベルの2人の専門医の獣医師にお世話になり、色々教えていただきました。実際に付属動物病院に病気で来た動物の症例をみて、専門医の立場からどのように診断し治療するかを学ぶことができました。疑問に思ったことはすぐに質問し、すっきりして帰って参りました。やはり、世界をリードするアメリカの獣医学であり、世界の中で確立された獣医学の専門医から直接色々と学ばせていただくことは、わざわざアメリカに来たかいがあったと思いました。
私の場合は普段から自分が難しく感じた症例や正しい今の治療のトレンド、最新情報を調べるときなど、アメリカの専門医に直接質問をすることもあります。ただ、やはり直接症例をみてその場で思ったことを聞けることは大変あり難いし、充実して過ごすことができました。

簡単な様式ですが、証明書もいただきました。遊ばずちゃんと学んできましたっていう証明書です。お休みの日くらいアメリカを満喫しても良いのではとも思いましたが、コロラド州立大学のあるフォートコリンズは田舎です。自然は素晴らしいようですが、宮崎に住んでいるので、また、遊びに来ているのではないという考えもあり、正直あまり興味がないのでした。また、学んだことを後でわかるようにまとめる作業に時間がかかり、あとは健康管理くらいしかお休みの時間は使いませんでした。

2015CSU certificate 001
診察室で待っている飼い主さんのところへ、ドクター・キャンベルと学生さんと一緒にぞろぞろと大勢で入っていくと、初めて大学付属動物病院に来た飼い主さんはちょっとびっくりします。その時よくドクター・キャンベルは”教育病院にようこそ”と話されていました。そうなんです、アメリカの大学の付属動物病院はちゃんと“Teaching hospital (教育病院)という名前になっているのです。

特にドクター・キャンベルは親日家で、以前日本に滞在したときのお話や、日本の大学で講演をしたときのお話を色々してくださりました。気さくな先生でお話が非常に面白いです。アメリカのジョークは日本とセンスが違うので、日本人にはわからないとか聞くことがありますが、そんなことは全然ないって思いました。この4月にドクター・キャンベルの書いた本の第4版が発売されると聞いていたので調べてみました。

The book of Dr. Campbell

4月27日に専門書 Exotic Animal Hematology and Cytology, 4th Edition が発売とのこと。さっそくネットで注文しました。ここのサイトで。http://www.bookdepository.com/Exotic-Animal-Hematology-Cytology-Terry-Campbell/9781118611272?selectCurrency=USD

電子版もあるのですが、それならすぐに手に入るとはいえ、私としては、やはり本はちゃんと紙の本で読んだり調べたいです。このサイトの本は、なんと、日本まで送料無料とはびっくりです。ちゃんと日本まで届き、さっそく参考にしています。また、ドクター・キャンベルは魚拓が趣味でプロ級の腕前のようです。
もしかして、まったくわからないですが、日本の出版社の方が主催して、ドクター・キャンベルがこの本のことで、日本で講演をするとすれば、日本の先生方にとっても、キット面白い講演になるのではないでしょうか。

DSCN1939 with Dr.Campbell

この写真に向かって私の左側にDr.Terry W. Campbell、その他にインターンのドクターや獣医学部の学生さん、それに他大学の動物看護科の学生さんが写っています。写真に写っている皆さんには、”自分のホームページにアップするので”と了承をいただいております。

アメリカに行ったときいつも思うのですが、アメリカ人って礼儀正しく感じが良いです。大学内では特に、そうですね、たぶん70から80%くらいの方々が目が合うとニコってします。それが挨拶なんですね。私も自然にニコってなります。なので、写真を一緒に撮りたいというと、私は思うのですが、写真写りが良いっていうか皆さん笑顔が素敵です。

DSCN1649 Dr. Campbell and Ms. Price


この写真は向かって左がDr.Terry W. Campbellと右側がリエイゾンのMs. Stephanie Priceです。ステファニーさんには私が関わった症例のカルテを探すときや、事務的なことなどで色々お世話になりました。たわいもない話をしたり、時々話にスラングがまざってくると、私はわからないので“ふーん”と困った顔をすることになるのですが、そんな時解説をして教えてくれたりと、気さくな方です。
写真を撮ってもらった学生さんが、なかなかシャッターを切らないので、目を閉じないように頑張ってたらこんな写真になっちゃいました。他の写真もあるのですが、面白いのでこっちの写真をアップしました。

その他にDr. Johnstonとその時の学生さんと一緒にとった写真もあります。ただ、その時に一緒に写った学生さんに了承を得ていないので、自分のホームページにアップすることは控えました。

アメリカの大学に研修のために行くと、必ず、自分のなかではちょっとしたトラブルっていうか、事件がアメリカであったのです。今回もちっちゃい3つの事件?がありました。またの機会にそのお話をご紹介するかもしれません。

あっ、それと、私にとって、ちょっと驚いた話があるので、ご紹介します。それは、あるとき、ドクター・キャンベルと私とその他学生さんたちが日本でいうところの医局にいたときのこと。男性は私とドクター・キャンベルだけでした。獣医学部の(というかほんとはモット規模が大きい獣医学校という感じですが:School of veterinary medicine)女性の学生さんたち4、5人が色々お話をしていました。何の話をしているのかと思い聞いていると、結構自由に話している様子でかかなり速く話し出して”わぁーっついてけない”と集中して聞いていた時のこと、ドクター・キャンベルが私に向かって言ったのでした。”聞いたって無駄だよ。聞かないで良いよ”と笑って話してくれました。さらに、”女性の話に結論はないし、女性は結論を出すのが話す目的ではなくて、ただ話していることが目的なんだ。”へぇーって思いました。これは普段私も感じていたので、私も”男は話す時には必ず結論があってその理由がこうこうで、理論的に話すが、女性はそうでないってことですか?”とお聞きすると”まさにその通り”って言われました。日本もアメリカも文化が違えどこういう点では同じなのかなって大変びっくりしました。

面白くないですか?共感する方もいらっしゃるとおもうのですが・・・。

httpv://www.youtube.com/watch?v=zhwWQyhHWc4

これは、デンバー国際空港にて経験したことです。
セキュリティーチェックも終わって、あとは成田行きの飛行機に乗るだけという状況。その時間までくつろいで待っていた時のこと。小鳥がどこからかパーッって飛んできました。その時に私がすぐに思ったことは”水は飲めてるの?”でした。
私たち人間にも共通するので、想像できると思いますが、動物は水が飲めないと急速に弱ります。動物の治療でも弱っている場合、脱水がないか必ずチェックします。

イヌ・ネコではもちろんいろんな病気で脱水になることはありますが、過去にも、ハムスターで脱水の疑いで即ち水が飲めていないということ、下痢、あるいは糖尿病のため瀕死の状態で連れてこられたことが何度かありました。瀕死なので皮下注射ではおそらく間に合いません。犬・猫の場合はすぐに静脈点滴ですが、ハムスターはそうはいきません。静脈注射するには血管が小さすぎるからです。ですので、この場合にはちょっと難しいですが、大腿骨の骨髄に針を刺入しポカリスエットみたいな医療用の点滴を注入します。そうしてしばらくすると、すぐに元気になりました。骨髄には血管がつながっているため、骨髄に注射することは血管に注射することと同じように急速に脱水を改善できるのです。

そう思ってその小鳥を見てみると、なんだか健康的に見えない様子。遠くにはいましたがなんか健康的ではないなぁって思いました。でも、捕まえられそうでもないし、たとえ捕まえられたとしても外に逃がすことができるのかって。自分の病院にも時々どこからか虫が入っていてできる限り外に出してあげますが、そうしないと虫でさえ生きることはできません。そんなことが頭をよぎったのですが・・・。
それで、飲んでいたミネラルウオーターを床にこぼしてみました。そしたらこの小鳥はさぁーっって私のところに飛んでさらにピョンピョンピョンと来ました。そして、こぼしたところを舐めているのです。それから、また床にミネラルウオーターをこぼすと必死に飲んでいるのです。でも、すぐに床に吸収されて効率が良くありません。”どうしよっか”と思い、自分の手にミネラルウォターをためて差し出しましたが、さすがにそれは飲んでくれません。小鳥の頭の上から注いで頭にちょっとかけると、何とか飲んでいる様子。それでも、体がちょっとくらい濡れるくらいの方が良いのかもとまで思いました。それで、次に”あっそうか!”って思い、自分の靴の上にこぼすとこの動画にある通り、うまく飲めている様子でした。それで、自分の携帯の動画で撮影したのです。何度かこれを繰り返すと、そのうち満足したのか別のところに飛んでいきました。
だれか係りの人が気づいて外に逃がしてあげればと思いつつ、アメリカを後にしました。

 



まなび野動物病院


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