
離乳は生後4~6週齢から始まり、60日頃には終わるため、はじめて家に来る頃には終わっていることが多いはずです。
6~8週齢のときに初めのワクチンを接種します。通常はそれから1ヶ月毎に3回接種します。
糞便の検査を最低でも1回は実施することをお勧めします。母イヌが寄生虫を持っていると子犬もすでに感染していることがあるからです。
はじめて子犬が家に来たら
子犬がはじめて家に来てからは、いきなり異なった環境におかれて不安に思っているはずですから、しばらくはストレスがかからないように気を使ってあげましょう。今までは母イヌと一緒にいたのかもしれないし、いきなり知らないところに連れてこられたわけですから、ストレスは私たちが思っている以上にあるのかもしれません。特に家に来てからの最初の1週間程度は、今まではおとなしくしていた病気がストレスのため発症するかもしれませんので、元気、食欲など、健康状態をよく観察しておく必要があります。慣れてきたら子犬にはしつけのため、色々教えていかなければならないことがあります。
トイレ
まずはトイレを教えてあげる必要があります。子犬によってトイレを直ぐ覚えてくれる場合と、時間がかかる場合があるようです。ただし、飼い主さんによっては間違ったトイレのしつけをされているために、トイレを覚えさせるのがなかなかできない場合もあります。
よくある間違ったトイレのしつけとしては、粗相をしたときに、おしっこや、便に子犬の鼻を近づけさせ、臭わせて怒るというものです。これは自分がイヌになったと思って想像してみればわかることですが、状況は、トイレを済ませたらなんか怒っているということです。言葉の意味はわからないわけですから、とにかく怒っていると。ここで、果たしてトイレを済ませた場所が悪いことに気付くでしょうか。もしろ、トイレをするなといっていると思うのが自然だと思います。したがって、粗相をして怒った場合、次に子犬が取る行動としては、飼い主さんにばれないように隠れて、不適当な場所でトイレを済ませてしまうことがあります。
上手にトイレを覚えてもらうには、粗相をしたら怒らず、直ぐに片付け、できるだけにおいが残らないようにきれいにします。子犬はかすかに臭う場所にまたトイレをしたくなるからです。次に、遊んだ後、食事の後、朝早く起きてすぐ後などが子犬がトイレをしたくなるタイミングですから、クンクンと床を臭い、トイレをしたくなった様子ならば直ぐにトイレをさせたい適当な場所に連れて行き、済ませたら直ぐに褒め、チーズなどのご褒美を少しでよいので与えます。
もし、大きなケージに子犬が休みくつろげる場所と、反対側の隅にトイレを用意することができれば、子犬は自分がくつろぐ場所ではトイレをしないため、自然にトイレで排尿・排便をすませてしまいます。しばらくその状態で飼うことができれば、そのトイレの場所をそのままにして、ケージを片付けてもその場所でトイレを済ませようとして成功することになるのです。
その他に気をつけることとしては、子犬はきれい好きですから、トイレをすませて、尿や便がそのままであれば、そのトイレではもうしないということです。必ずトイレをきれいにしておかないとトイレ以外の場所で粗相をすることになります。
遊び
子犬には十分な運動や遊びが必要です。即ち毎日の生活の中での良い刺激が必要です。これがないと退屈で欲求不満となり、エネルギーが発散できない状態では、色んな問題となる行動が起きてくる可能性があります。特に家を留守にするときなど、子犬が退屈しないように子犬用の安全で噛んでも良いようなおもちゃ(中に興味が湧くようにおやつを入れられるタイプがよい)を与えることは子犬にとって良い刺激となるでしょう。また、子イヌにとって危険なものを勝手に口に入れて噛んだりしないように、環境を整えてあげましょう。(中毒・異物摂取のページを参照してください)
従順な子に育てるために
子供のときから従順になるように教育しておくことは、それを怠ると後々コントロールできなくなるので大切なことです。どんなに可愛い子犬でも、イヌの祖先は序列のある群れを形成する狼ですから、家族の中では社会的に一番低いところにいることを自然に教えて育てる必要があります。口の周りをつかんだり、母イヌが子犬を連れて行くように首から背中にかけてをもち上げておろすなどの行為や、
(写真1)
(写真2)
写真1.2のように遊びながらお腹を上にしてさすってあげるなどの行為が子犬のときに簡単にできる服従訓練となり得ると思います。また、病気になったときに治療ができるように、口まわり、耳、前足、後足など、体の色んな場所を遊びながらスキンシップもかねて全身を触っておく必要があります。もし、子犬が嫌がるときは無理しないようにご飯の前にフードを見せておいて実施する、許容した場合などすぐに褒美をあげるなど工夫します。冷蔵庫にある私たちが食べるチーズはしつけのためトレーニングに使われています。しつけには美味しいものが効果的で、チーズはその点では(与え過ぎは塩分の取りすぎになりますが)優れています。しつけは遊びながら自然にすることが大切です。叩いてしつけるのは恐怖心を植付け、精神的に不安定な怖がりなイヌに育ち、また、飼主さんとの信頼関係をなくすことになります。例えば、噛んで痛いのにやめてくれない場合、信頼関係を維持したまま、威厳を持って子犬をしつける方法は
(写真3)
写真3のようにして、そっと脇の下の胸を保持し目を見つめ(多くは目をそらすため、目を合わせるようにします)しかる方法があります。これは、犬種によっては大人になるとできなくなります。
その他、適当な時期が来ると“お座り”、“待て”を教えます。フードを与えるとき、ご褒美を与えるときは、この“お座り”と“待て”をして与えるようにします。“待て”の延長でお留守番をすることになりますし、“お座り”と“待て”は大切な服従訓練となります。さらに、子犬のときから、フードを与える最中にお皿にさわり、ときどき取り上げ、また、戻したり、取り上げたお皿にフードを加えたりして戻してあげます。これは、お皿に触っただけで攻撃性が発現することがないようにするためです。
外に出して遊ぶようになったら。
ワクチンの接種も終わって、外に出して散歩をさせるようになると、ワンちゃんは外の楽しさを知ることになります。
何時も家の中で飼っていて、家の戸の閉め忘れがあると、外に出たくなるかもしれません。外に逃げると、運が悪ければ交通事故でかわいそうなことになることがあります。ちょっとした注意不足で一瞬でお別れとなり得ることを知っておきましょう。
Big Dog – Little Dog
アメリカの獣医師の間では良く使われる言葉(大きい犬―小さい犬)ですが、文字通りの意味は解かるとしても、一体何のことと思われている方が多いのではないでしょうか?
猫がネズミを捕まえることは本能です。これと同じように時に大きい犬は小さい犬を本能的に攻撃し死に至らせることもあると言うことです。運悪くこのことが起きるときは突然来るかも知れません。お互い遊んでいると思っていたら、大きい犬が突然小さい犬をかみ殺すことは起り得るのです。
外に出るようになったら、あなたの飼っているワンちゃんが小型犬種の場合咬まれないように注意してください。あなたの飼っているワンちゃんが大型犬種の場合(性格にもよりますが)加害者にならないように気を付けてください。止めに入った人が大きな犬に咬まれることもあります。
特にドッグパークやドッグランなどで、リードを付けずに遊ばせる場合、その子の命にかかわるリスクがあることを覚えておきましょう。
参考文献
Landsberg G. “Behavior Development and Preventive Management” Veterinary Pediatrics: Dogs and Cats from Birth to Six Months. 3rd ed. Ed. Hoskins JD. Philadelphia: Saunders, 2001.
まなび野動物病院
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